脳卒中センターの品質指標の開発とレセプト等のデータベースを用いた指標算出の可能性について - J-ASPECT Study - Development of Quality Indicators of Stroke Centers and Feasibility of Their Measurement Using a Nationwide Insurance Claims Database in Japan - J-ASPECT Study -
AUTHORS
Nishimura A, Nishimura K, Onozuka D, Matsuo R, Kada A, Kamitani S, Higashi T, Ogasawara K, Shimodozono M, Harada M, Hashimoto Y, Hirano T, Hoshino H, Itabashi R, Itoh Y, Iwama T, Kohriyama T, Matsumaru Y, Osato T, Sasaki M, Shiokawa Y, Shimizu H, Takekawa H, Nishi T, Uno M, Yagita Y, Ido K, Kurogi A, Kurogi R, Arimura K, Ren N, Hagihara A, Takizawa S, Arai H, Kitazono T, Miyamoto S, Minematsu K, Iihara K; J-ASPECT study collaborators
目的・背景
この研究では、一次的および包括的な脳卒中治療に関する品質指標(QI)を開発し、既存のDPCデータベースを使用してそれらの指標の算出が可能かどうかを検討することを目的としています。
研究手法と成果
私たちは、修正されたデルファイ法を用いて、国内および国際的な研究の系統的レビューを実施しました。 QI順守率を算出の可能性については、DPCデータの全国的な脳卒中データベース(J-ASPECT研究に参加している558の病院に2013年から2015年の間に入院した396,350人の患者が対象)を使用しました。これらのQIの順守率と病院の特性との関連は、階層的ロジスティック回帰分析を用いて分析しました。これにより一次的脳卒中治療のQIとして17、包括的脳卒中治療のQIとして12の指標を開発しました。開発されたQIの順守率は、既存のDPCデータベースを使用して6つのQIで算出可能であることがわかり、それらのQIの平均値は、一次的脳卒中治療のQIについて早期の抗血栓薬処方が54.6%、退院時の抗血栓薬処方が58.7%、心房細動を持つ患者に対する退院抗凝固薬処方が64.4%、退院時の降圧薬処方が51.7%、包括的脳卒中治療のQIについて、脳血管攣縮予防のためのファスジル塩酸塩またはオザグレルナトリウム投与が86.9%、診断的脳血管造影の合併症による死亡が0.4%でした。また、病院の特性によってQI順守率には大きなばらつきがあることがわかりました。
結論
私たちは一次的および包括的な脳卒中治療のためのQIを開発しました。これらのQIを算出して評価するには、DPCデータベースを用いるのが適しており、低コストかつ効率的なデータ収集が可能であるため、病院の負担も軽減できます。