J-ASPECT Study

包括的脳卒中治療機能を評価するためのスコアの開発と検証:
J-ASPECT Study
Development and validation of a score for evaluating comprehensive stroke care capabilities:
J-ASPECT Study

AUTHORS

Kada A, Nishimura K, Nakagawara J, Ogasawara K, Ono J, Shiokawa Y, Aruga T, Miyachi S, Nagata I, Toyoda K, Matsuda S, Suzuki A, Kataoka H, Nakamura F, Kamitani S, Iihara K; J-ASPECT Study Collaborators

目的・背景

米国の脳卒中協会は、脳卒中および脳血管疾患患者のために包括的な治療機能を備えた拠点の設立を推奨しましたが、そのようなセンターをスコアリングするシステムはありませんでした。私たちは日本の状況に適応した包括的脳卒中センター(CSC)スコアを作成してその検証を行いました。

研究手法と成果

選定された1369の日本の認定研修施設のうち、749施設が急性期脳卒中治療機能の調査に回答しました。 病院の品質は、25項目のスコアを使用して決定され、人員、診断技術、特定の専門知識、施設、および教育体制の5つのサブカテゴリ―で評価されました。 一貫性と妥当性は、相関係数と因子分析を用いて調査を行いました。
CSCスコアは、病院の規模によって異なります(中央値、14、四分位範囲、11-18)。 5つのサブカテゴリ―の一貫性は中程度でした(クロンバックのα係数= 0.765)。利用可能な人員の種類と特定の専門知識との間には強い相関関係がありました。 2011年に脳卒中で入院した患者のDPCデータベースを使用した分析では、虚血性脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血の院内死亡率に影響を与える因子として1)脳血管手術と介入関連、2)脳血管画像診断関連、3)その他の脈管・神経学的分野、4)神経学的治療とリハビリテーションという4つの構造が特定されました。CSCスコアの総得点は院内死亡率に関連しており、そのオッズ比は虚血性脳梗塞で0.973(95%信頼区間 0.958-0.989)、脳内出血で同0.970(0.950-0.990)、クモ膜下出血で0.951(0.925-0.977)となっており、4つの構造それぞれが寄与する度合いは異なっていました。

結論

1)脳血管手術と介入関連、2)脳血管画像診断関連、3)その他の脈管・神経学的分野、4)神経学的治療とリハビリテーションの可用性に基づいたCSCスコアは、包括的な脳卒中センターとしての機能を評価するのに有効な尺度であることが明らかになりました。

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