J-ASPECT Study

非出血性もやもや病患者の入院前の抗血小板薬使用と入院時の機能的状態:全国的な後ろ向きコホート研究(J-ASPECT Study) Prehospital antiplatelet use and functional status on admission of patients with non-haemorrhagic moyamoya disease: a nationwide retrospective cohort study (J-ASPECT Study)

AUTHORS

Onozuka D, Hagihara A, Nishimura K, Kada A, Nakagawara J, Ogasawara K, Ono J, Shiokawa Y, Aruga T, Miyachi S, Nagata I, Toyoda K, Matsuda S, Suzuki A, Kataoka H, Nakamura F, Kamitani S, Nishimura A, Kurogi R, Sayama T, Iihara K; J-ASPECT Study Collaborators

目的・背景

この研究は、非出血性もやもや病患者における入院前の抗血小板薬の使用が入院時の機能障害の状況と関連するかについて解明することを目的とし、日本全国で登録されたデータを用いた多施設の後ろ向き観察研究です。

研究手法と成果

2012年4月から2014年3月の2年間に非出血性もやもや病で入院した1,925人の患者を対象として、傾向スコアマッチング分析を行い、入院前の抗血小板薬使用と入院時に顕著な機能障害がないこととの関連性を分析しました。顕著な機能障害がないことは、mRSスコアが0または1と定義しました。
入院前に抗血小板薬を投与された患者は、入院前に抗血小板薬を投与されなかった患者と比較して、入院時の良好な機能状況と関連していることがわかりました(全ての共変量を調整後のオッズ比 3.82、 95%信頼区間 1.22-11.99)。

結論

入院前の抗血小板薬の使用は、非出血性もやもや病患者の入院時の良好な機能状態と有意に関連していました。 我々の分析結果は、非出血性もやもや病患者の転帰を評価する際には、入院前の抗血小板薬の使用を考慮すべきであることを示唆しています。

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