J-ASPECT Study

日本における脳卒中診療医の疲弊度と燃え尽き症候群の横断的調査:
J-ASPECT Study
Cross-sectional survey of workload and burnout among Japanese physicians working in stroke care: the nationwide survey of acute stroke care capacity for proper designation of comprehensive stroke center in Japan (J-ASPECT Study)

AUTHORS

Nishimura K, Nakamura F, Takegami M, Fukuhara S, Nakagawara J, Ogasawara K, Ono J, Shiokawa Y, Miyachi S, Nagata I, Toyoda K, Matsuda S, Kataoka H, Miyamoto Y, Kitaoka K, Kada A, Iihara K; J-ASPECT Study Group

目的・背景

燃え尽き症候群は医師に起こりやすく、診療の質に影響を与えます。私たちは、脳卒中診療に従事する日本人医師の燃え尽き症候群の有病率を確認し、燃え尽き症候群に関連する個人の特徴や職業的特徴を評価することを目的に調査を行いました。

研究手法と成果

私たちは横断的デザインを用いて調査票を作成し、11,211人の医師に配布しました。 医師の燃え尽き症候群は、Maslach Burnout Inventory General Survey(MBI-GS)と呼ばれるバーンアウト測定尺度を使用して評価しました。燃え尽き症候群の予測因子とバーンアウト測定尺度との関係は、多変量ロジスティック回帰分析によって特定されました。 調査票を配布したうち、合計2,724人(25.3%)の医師が調査に回答し、その中で脳卒中治療に従事していない人や回答に欠損があった人を除外して、2,564人の調査結果が分析対象となりました。 参加者のスコアを分析したところ、41.1%が燃え尽き症候群であるという結果でした。 多変量解析では、1週間の労働時間数が燃え尽き症候群と正の相関関係にあることが示されました。 1日あたりの睡眠時間、1週間あたりの休日、経験年数、および収入は、燃え尽き症候群と逆相関していました。SF-36(健康関連のQOLを測定するための尺度)のメンタルヘルス分野の下位尺度も燃え尽き症候群と逆相関していました。

結論

燃え尽き症候群の主な危険因子は、作業負荷が重いこと、睡眠時間が短いこと、比較的経験が少ないこと、およびメンタル面のQOLが低いことです。これらの点を確かめて、燃え尽き症候群を予防するためのプログラムを開発するには、前向きの研究が必要と考えられます。

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